ヨーヨー・マヨーヨー・マ(チェロ) Yo-Yo Ma
 1955年中国人の両親のもとパリで生まれる。4歳より父にチェロを学び、5歳のときにリサイタルを開く。1962年ニューヨークに移住。9歳の時からジュリアード音楽院にてレナード・ローズに師事。10代でカザルスやロストロポーヴィッチら巨匠たちと肩を並べるアーティスト、と評価される。その後ハーバード大学にも学び、古典文学で名誉博士号を授与されている。

 ソリストとして世界中のオーケストラと共演するとともに、多くの室内楽の演奏も彼の友人たちと多彩にこなしている。これまでに、エマニュエル・アックス、ダニエル・バレンボイム、クリストフ・エッシェンバッハ、トン・コープマン、ボビー・マクファリン、リッカルド・ムーティ、デイヴィッド・ジンマンらと度々共演してきたほか、従来のクラシックの枠組みを超えて、アメリカのカントリー・ミュージックをベースに創作した「アパラチア・ワルツ」、タンゴの革命児ピアソラの作品を演奏した「プレイズ・ピアソラ」等のアルバムの録音で幅広い層のファンを獲得した。

またJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」の再研究を行い、「インスパイアド・バイ・バッハ」と銘打った一連のフィルムを制作。6曲の「無伴奏チェロ組曲」それぞれに異分野の芸術家がヨーヨー・マとともに新たな作品を創造した。演出家・振付師マーク・モリス、歌舞伎俳優の坂東玉三郎、フィギュア・スケートのジェイン・トーヴィルとクリストファー・ディーンなどが参加したこの映像作品は1998年のエミー賞その他いくつもの映画祭賞をはじめとする数多くの栄誉を勝ち取った。

 なかでも彼がライフ・ワークとして取り組んでいるのが「シルクロード・プロジェクト」である。これは古代東西の文化を結んだシルクロード(絹の道)にかつて存在した、または今に残る音楽を丹念に調査し、それをもとにプロジェクトメンバー等の現代の音楽家が作曲した新しい音楽をシルクロード・アンサンブルやオーケストラとともに演奏しようという試みである。

 2002年6〜7月にワシントンDCで開催された「スミソニアン・フォークライフ・フェスティヴァル」は大好評となり140万人を動員した。日本でも、プロジェクト立ち上げ後間もない2000年に奈良の東大寺大仏殿において演奏奉納を行ったほか、2005年にはNHKスペシャル「新シルクロード」のサウンドトラックをアンサンブルとともに担当。同年愛知県で開催された「愛・地球博」でも会場内で10回以上の公演を行い注目を集めた。

 この事業は近年彼の母校でもあるハーバード大学との提携関係もあり、学生のためのワークショップ、先進的な研究機関での演奏会など、参加・体験型のイベントも含む多様なプログラムを提供し文化交流の橋渡し役となっている。
 2006年には国連ピース・メッセンジャーに任命され、その後も若者が音楽に接する機会を広げるとともに、国連の仕事を若い人達に伝える取り組みを行っている。

 これまでに90以上のアルバムをリリースし、グラミー賞(18回受賞)をはじめ数多くの賞を獲得している。

 チェロは1733 年製ヴェニスのモンタニアーナと1712年製のストラディヴァリウス(ダヴィドフ)を使用。


【関連サイト】
ソニー・ミュージック オンライン・ジャパン
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Classical/Artist/YoYoMa/

YO-YO MA(英語)
http://www.yo-yoma.com/