チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団は1868年に創設され、特に1895年に世界でもベストともいわれる音響効果を誇る新ホール(Tonhalle)が誕生してからはスイスのドイツ語文化圏の音楽界で重要な役割を果たしてきた。ハンス・ロスバウト、ルドルフ・ケンペ、ゲルト・アルブレヒト、クリストフ・エッシェンバッハなどの主要な首席指揮者たちは楽団に決定的な影響を及ぼし、また錚々たる客演指揮者たち(古くはベーム、フルトベングラー、クレンペラー、クーベリック、シューリヒト、ワルターなど、最近ではブリュッヘン、デュトワ、ハイティンク、ヤノフスキ、ヤンソンス、ロジェストヴェンスキーなど)も楽団を大いに発展させた。
現在トーンハレで1シーズンに50種類のプログラムでおよそ100回の演奏会をこなしているが、スイス国内だけでなくヨーロッパ、アメリカ、アジアなどへの演奏旅行、また最近ではデヴィッド・ジンマンとのR.シュトラウスの管弦楽全集やシューマンの交響曲全集を始めとした数多くの録音などが世界的に批評家や音楽愛好家からの絶賛を浴びている。